野田昭三氏のユリの染色体の核型の研究によると、日本に自生している13種類のユリをA〜Eの5群に分けて、どこからやってきたのか、その流れを推察されています。

  • A群
    北方からのもので、シベリア→中国の東北部→サハリン→北海道→本州という流れで、クルマユリ、スカシユリの仲間(エゾスカシユリ、イワユリ、イワトユリ)です。
  • B群
    朝鮮半島からのもので、中国東北部→朝鮮半島→対馬から日本に入った流れで、オニユリ、コオニユリ、ヒメユリのルートです。
  • C群
    フィリピン→台湾→沖縄→奄美大島のテッポウユリです。
  • D群
    中国の南部→台湾→九州→四国とつながるカノコユリです。
  • E群
    日本列島の固有種のタモトユリ、ウケユリ、ヤマユリ、サクユリ、ササユリ、オトメユリです。染色体の核型からはカノコユリによく似ているので、D群から枝分かれしたようなものです。
    オリエンタルハイブリッドの交配に使われたこれらの種類が、もともと1つの流れなんだと納得させられました。
    ちょっとした遺伝子の変異が発現する形質をかなり変えながら、根っこのところで血が繋がっていることを考えされられました。

世界中のユリの染色体の核型が解明されることで、どれとどれが血縁関係にあるのか、もともとは何種類あったのか、どこからどういう具合に流れてきたのか、わかるようになります。大変興味のあるところです。