- 和名:スカシユリ(透百合)
- 学名:Lilium maculatum
- 開花期:5〜6月(イワユリ)、7〜8月(イワトユリ)
- 茎丈:15〜60cm
- 花径:10〜12cm
- 花色:赤橙色、赤褐色の斑点
- 花形:盃形
- 花の向き:上
- 香り:ほとんどない
花弁の基部がくびれていて、花の間が透けて見えることから名付けられた「スカシユリ」のうち、日本海側で咲くものをイワユリ(岩百合)、太平洋側で咲くものをイワトユリ(岩戸百合)と呼びます。学名のmaculatumは「斑点がある」という意味です。
海岸の岩場や砂地に自生します。過酷な環境に耐えて病気にも強いユリです。イワユリは本州の北陸以北、イワトユリは紀伊半島南端から青森県に分布。神奈川県では江ノ島などで咲いています。
山地生の変種として、東北から北陸に分布するヤマスカシユリ、埼玉県の武甲山に生息するミヤマスカシユリがあります。
イワユリは丈が低くて小型のものが多く、狭被針形の葉は濃い緑色、花は落ち着いたオレンジ色。イワトユリは丈が伸びやすく、葉が細くとがって緑が薄め、花の色が鮮やかです。花数は通常1〜3輪、栄養豊富な場所では10輪近くにもなります。
DNA解析により、2024年にイワトユリの一部が新種のミナミスカシユリとして分類が見直されました。茨城県から静岡県にかけて生育し、葉の先端が爪状に曲がるという特徴があります。これは日本産ユリとしては110年ぶりの新種の発見です。




江戸時代初期から、北海道に分布する近縁のエゾスカシユリと交配して数多くの品種が作られてきました。これらとオニユリまたはコオニユリとの交配で作出されたタツタユリは、世界初の種間交雑とも言われています。明治時代になると、欧米に紹介されて輸出もされました。
欧米に導入されたスカシユリの仲間はアジアティックハイブリッド系のベースとなり、上向きに咲く形質や強健な性質が受け継がれています。園芸品種を「スカシユリ」と総称し、野生のものを「イワトユリ」と呼び分けることもあります。