食材としてのユリ根

今では食生活も変わり、ユリ根を食べることはほとんどなくなってしまいました。茶碗蒸しに鱗片が1つ2つ入っていれば珍しい方で、ご飯に入れたり、天麩羅やキントン、甘煮など、まず食べる機会がなくなってしまいました。

ユリは古くは薬用として利用され、栄養価も高く滋養強壮に効果があるというので、肺病の人や産後の肥立ちの食事に利用されたといいます。

また、ヤマユリは昔、草葺き屋根の頃、部落の共同作業でススキを取りに行くといっぱいあって、ユリ根を掘ってきて食べた話を聞きます。今のように肉類をほとんど食べなかった時代の、貴重な栄養源であったようです。

食べられるユリの種類

食用にしたユリの種類は、オニユリ、コオニユリ、ヤマユリ、サクユリ、ハカタユリ、タケシマユリなどですが、ササユリ、オトメユリ、エゾスカシユリ、イワトユリ、クルマユリなども食べられます。

テッポウユリやカノコユリは苦みが強すぎて、食べられないことを憶えておいてください。

ユリ根の生産

江戸時代にはすでに食用としての生産があり、オニユリが中心で、コオニユリやスカシユリも作っていたようです。3倍体で花が咲いても種子が付かないオニユリが、全国に広がって人里近くに分布していることが、これで理解できます。

現在では、ほぼ北海道でコオニユリが生産されているだけで、これが年末にスーパーマーケットや八百屋で売っているユリ根です。

食用の栽培はほとんどありませんが、サクユリが球根が大きく、鱗片が肉厚で食べでがあります。